「返品管理」の概要
「返品情報」とは
Section titled “「返品情報」とは”「返品情報」とは、顧客からの返品要求や品質問題による返品を体系的に管理するための業務履歴情報です。一般的には トランザクションデータ と呼ばれ、返品の受付から返金・再入庫までの一連のプロセスを記録・追跡する仕組みを指します。 FERMでは、返品情報を受注情報や請求情報と同じく重要な業務データとして管理します。これにより、単なる返品処理にとどまらず、品質改善や顧客対応、在庫調整など経営判断につながる情報を一元的に扱うことができます。
「返品情報」を管理する利点
Section titled “「返品情報」を管理する利点”-
品質改善と顧客満足度向上
- 返品理由を体系的に分析することで、品質問題の傾向を把握しやすくなります。
- 製造部門や仕入部門へのフィードバックにより、再発防止や顧客満足度の向上につなげることができます。
-
返金処理の正確性と透明性
- 経理担当者が返品情報を参照して返金処理を行うことで、金額の誤りや処理遅延を防ぎ、顧客との信頼関係を維持することができます。
-
在庫管理の精度向上
- 返品商品の扱いを「再入庫」「破棄」と明確に区分することで、倉庫在庫の理論値と実在庫の差異を防ぐことができます。
- 不要な破棄や誤入庫も抑制することができます。
-
業務フローの標準化
- 営業・品質管理・経理・倉庫など複数部門にまたがる返品業務を、統一されたルールで進めることができます。
- 担当者間の対応品質を統一し、引き継ぎやトラブル対応をスムーズにすることができます。
「返品情報」の利用用途
Section titled “「返品情報」の利用用途”- 営業担当者
顧客から返品要求を受け付け、返品情報を記録します。 - 品質管理担当者
返品商品の状態を確認し、再入庫または破棄の判断を行います。 - 経理担当者
返品に伴う返金処理を行い、会計システムと連携します。 - 経営・品質管理担当者
返品データを分析し、品質改善や業務プロセス見直しに活用します。 - 顧客サービス担当者
返品状況を顧客に報告し、満足度向上を図ります。
「返品情報」に記録される情報
Section titled “「返品情報」に記録される情報”| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 返品ID | 各返品を一意に識別するコード。履歴参照や検索に利用 |
| 元受注情報 | 返品対象となる受注の詳細情報（受注ID、顧客、商品明細など） |
| 返品項目 | 返品対象商品の詳細（商品名、商品種別、返品数量、返金額など） |
| 返品スケジュール | 返品作成日、希望返品日、実際の返品日 |
| 返品の状況 | 未確定／確定済／取消済の進捗状況 |
| 返金の状況 | 未確定／返金不要／返金予定／返金済の処理状況 |
| 再入庫の状況 | 未確定／破棄／入庫済の商品処理状況 |
| 返金調整項目 | 送料や手数料など、商品以外の返金調整内容 |
| 備考 | 顧客向け補足情報（特記事項・注意事項など）。帳票に表示可能 |
| 社内メモ | 返品理由や処理上の注意点など、管理者向けフリーテキスト |
「返品の状況」とは
Section titled “「返品の状況」とは”| ステータス | 説明 |
|---|---|
| 未確定 | 返品情報の編集が可能な状態。返金・再入庫処理には進めない |
| 確定済 | 返品内容が確定し、返金・再入庫処理が可能な状態 |
| 取消済 | 返品が取り消された状態。以降の操作は不可 |
「返金の状況」とは
Section titled “「返金の状況」とは”| ステータス | 説明 |
|---|---|
| 未確定 | 返金方針が未決定の状態 |
| 返金不要 | 返金を行わない方針が確定した状態 |
| 返金予定 | 返金を行う方針が確定し、処理待ちの状態 |
| 返金済 | 返金処理が完了した状態 |
「再入庫の状況」とは
Section titled “「再入庫の状況」とは”| ステータス | 説明 |
|---|---|
| 未確定 | 返品商品の処理方針が未決定の状態 |
| 破棄 | 返品商品を破棄する方針が確定した状態 |
| 入庫済 | 返品商品を検品・再入庫処理完了した状態 |
「返品情報」の管理の流れ
Section titled “「返品情報」の管理の流れ”- 返品受付
顧客からの返品要求を受け、元受注から返品情報を作成します。 - 返品項目設定
返品対象商品・数量・返金額を設定します。 - 返品スケジュール設定
返品希望日や回収方法を調整します。 - 返品確定
返品内容を確定し、返金・再入庫処理を開始します。 - 返金処理
返金の状況に応じて返金手続きを実施します。
「返品情報」とその他の情報との関連性
Section titled “「返品情報」とその他の情報との関連性”-
受注情報
- 返品の元となる受注情報から顧客・商品・数量・金額情報を継承します。
- 受注ステータスが「納品済」の受注のみ返品作成が可能です。
- 返品処理により受注の一部または全部が返品扱いとなります。
-
顧客情報
- 返品先顧客の基本情報・連絡先を参照します。
- 顧客別の返品履歴・傾向分析に活用します。
- 返品に関する顧客コミュニケーション履歴を管理します。
-
商品情報
- 返品対象商品の基本情報（商品名・商品種別・税率）を参照します。
- 商品別の返品率・返品理由分析に活用します。
- 返品商品の品質情報を商品改善にフィードバックします。
-
請求情報
- 返金処理時に関連する請求情報を参照・更新します。
- 返金額を請求から差し引く処理や返金専用請求の作成が可能です。
- 返品に伴う請求調整の履歴を管理します。
-
在庫操作情報
- 再入庫処理時に入庫操作を自動生成します。
- 返品商品の在庫復旧や破棄処理を在庫操作として記録します。
- 理論在庫と実在庫の整合性を返品処理で維持します。
-
関連書類
- 返品受付書・返金通知書・再入庫報告書などの帳票を生成します。
- 顧客への返品状況報告や社内向け処理報告書を作成します。
- 返品に関する書類送付履歴を管理します。