「見積管理」の概要
「見積情報」とは
Section titled “「見積情報」とは”一般的にはトランザクションデータと呼ばれ、企業の商談や受注につながる重要な記録を指します。FERMにおける「見積情報」は、見込み顧客を管理し、商談の過程や条件を体系的に残すことで、受注管理や売上予測をスムーズにする役割を担います。
- トランザクションデータとしての位置づけ:見積情報は、商品や顧客、価格、条件などが組み合わさった取引の前段階データであり、後続の受注・請求処理の基礎となります。
- 商談管理の有効性:顧客ごとの見込み度や交渉履歴を一元管理することで、担当者間や部署間で情報を共有し、適切なフォローや提案が行えます。
- 受注管理への連動:承認済の見積情報を受注データに変換する仕組みにより、重複入力やミスを防ぎ、業務フローを効率化します。
「見積情報」を管理する利点
Section titled “「見積情報」を管理する利点”- 経営分析の要となるデータ
- 見込み顧客の期待売上高や商談ステータスを集計・分析することで、月次・四半期の売上予測やパイプライン状況を正確に把握できます。
- 指標として活用可能
- 見積段階での金額や件数をKPIとして設定し、営業活動の成果や案件の優先度を可視化できます。
「見積情報」の利用用途
Section titled “「見積情報」の利用用途”- 価格・条件提示資料としての活用:顧客への正式な見積書をPDFで出力し、商談の出発点を記録します。
- 交渉内容・販売計画の共有:営業担当者が入力した交渉履歴や次回アクションを社内で共有し、チームでフォローアップができます。
- 受注処理への連携:承認済の見積をそのまま受注情報に変換し、出荷・請求など後続の業務データと連携します。
- 営業活動の効果測定:見積金額や件数を集計し、商談成立率や平均受注単価などの分析を行います。
- テンプレート化・複製機能:過去の見積を複製し、同一顧客や類似案件向けに再利用することで、作業工数を削減します。
- 帳票管理:見積書の作成・送付履歴を記録し、送付漏れや再送依頼の管理が可能になります。
「見積情報」に記録される情報
Section titled “「見積情報」に記録される情報”以下の表に、FERMで管理する見積情報の各項目とその説明、内容例をまとめます。
項目 | 説明 | 内容例 |
---|---|---|
見積ID | 見積を一意に識別するID。履歴参照や検索に利用。 | Q20250630001 |
顧客情報 | 見積を発行する対象顧客(顧客ID・顧客名)。請求条件や配送先が自動反映。 | C0001:酒商太郎 |
取引条件 | 適用する価格・送料ルール・パッケージなどの条件。受注変換時に継承。 | 条件A(卸売価格) |
見積状況 | 未承認/承認済/取消済などのステータス。承認済でないと受注変換不可。 | 承認済 |
見積明細 | 商品コード/商品名・数量・単価・金額・税率を明細ごとに登録。 | P001:クラフトビール350ml缶 ×10本(単価1,200円、金額12,000円、税率10%) |
商品分類 | 複数の商品をカテゴリ別にグループ化。帳票上の見やすさ向上に利用。 | ビール/ケグ |
見積スケジュール | 見積日(作成日)と有効期限を設定。管理画面・帳票ヘッダーに表示。 | 作成日:2025-06-30、有効期限:2025-07-15 |
送料 | 手動入力または取引条件から自動計算された送料。総額に含める。 | 1,000円 |
備考 | 顧客向けの補足情報(特記事項や注意事項など)。帳票に表示可能。 | 納期は要相談 |
社内メモ | 管理者向け内部メモ。顧客非表示。交渉履歴や注意点を記録。 | 支払いサイト:30日後 |
「見積情報」の管理の流れ
Section titled “「見積情報」の管理の流れ”- 商談の受け付け
顧客からの問い合わせや相談内容をCRMや履歴から確認し、見積対象となる案件を選定します。 - 見積の作成
顧客属性と取引条件を基に、商品・数量・納期・価格を入力し、見積書をPDF形式で発行します。 - 交渉・修正
顧客の要望に応じて価格や納期を調整し、再度見積を編集・再発行します。 - 承認・確定
顧客からの承諾を得た段階で見積状況を「承認済」に変更し、受注処理の準備を行います。 - 受注への変換
承認済見積を受注情報に変換し、納品スケジュールや出荷指示へ自動で引き継ぎます。
「見積情報」とその他の情報との関連性
Section titled “「見積情報」とその他の情報との関連性”- 商品情報との関係:商品コード・単価・税率などをマスタ参照で自動反映し、明細作成の手間とミスを削減します。
- 顧客情報との関係:顧客の請求条件・配送先情報を自動反映し、入力負荷を低減。
- 取引条件との関係:顧客に紐づく条件を初期値として利用し、見積作成時の設定漏れを防止します。
- 受注情報との関係:承認済見積をワンクリックで受注へ変換し、後続の出荷・請求業務に連動させます。
「見積情報」の見積状況とは
Section titled “「見積情報」の見積状況とは”見積状況は、見積データの進捗段階を示すステータスであり、案件の確度管理や社内外のフロー制御に利用します。主なステータスは以下のとおりです。
ステータス | 説明 |
---|---|
未承認 | 初期状態。社内確認中または顧客への提示前。 |
承認済 | 顧客からの承諾を得て正式に確定。受注に変換可能。 |
取消済 | 顧客からのキャンセルや内部判断による見積取下げ。今後処理不可。 |