「請求管理」の概要
「請求情報」とは
Section titled “「請求情報」とは”見積や受注の業務履歴を元に作成される、金銭請求のための正式な記録です。顧客への支払い請求や入金確認、未収金管理など、債権管理業務の中核を担います。FERMの請求管理では、キャッシュフローの可視化と回収業務の効率化を実現するために、以下の機能を提供しています。
- 正式な請求書発行:帳票ヘッダーに請求日や支払期限を明示し、顧客への送付・ダウンロードをサポート。
- 入金消込管理:入金情報を自動的に請求に紐づけ、過不足金を「繰越請求」として次回に持ち越す処理が可能。
- 振替請求機能:特定の請求を別の請求先(帳合先)に付け替えることで、イベント出店や代理請求など、実務上のイレギュラーに対応。
「請求情報」を管理する利点
Section titled “「請求情報」を管理する利点”-
受注データをもとにしたスムーズな請求書作成
受注情報の明細(数量・単価・金額・税率)をワンクリックで請求明細に取り込めるため、手入力によるミスや二重作業を防止できます。 -
入金確認と回収状況の可視化
入金ステータス(入金済・未入金・入金待ち・返金待ち)をリアルタイムに把握でき、未収金管理や督促業務が効率化します。 -
多様な請求パターンへの対応
振替請求や繰越請求、返金処理など、現場で発生しやすい複雑な請求パターンに柔軟に対応できます。これにより、イレギュラーな案件でも正確かつ迅速な請求業務を実現します。
「請求情報」に記録される主な情報
Section titled “「請求情報」に記録される主な情報”項目 | 説明 |
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請求ID | 各請求を一意に識別する番号。検索や入金消込時のキーとして利用。 |
請求日 | 請求書を発行した日付。帳票ヘッダーに表示され、支払期限の基準となる。 |
支払期限 | 顧客が支払いを完了すべき期日。取引条件に基づいて自動設定も可能。 |
顧客情報 | 請求先の会社名・住所・担当者・連絡先。請求書および債権管理に利用。 |
請求条件 | 支払方法(振込/請求サイトなど)、遅延利息ルール、繰越設定など。 |
対象受注情報 | この請求が紐づく受注一覧。複数受注をまとめて請求可能。 |
請求明細 | 各受注・見積由来の商品ごとの明細(名称・種別・数量・単価・金額・税率)。 |
小計・消費税・合計 | 項目と送料・手数料を合算した請求金額を自動計算。 |
繰越金額 | 前回請求からの未入金分を繰り越した額。手動で調整・削除も可能。 |
入金状況・入金額 | 入金ステータス(入金済/未入金/入金待ち/返金待ちなど)と、登録済の入金金額。 |
社内メモ | 管理者向けの自由テキスト。督促状況や特記事項を内部で共有。 |
「振替請求」とは
Section titled “「振替請求」とは”振替請求機能は、注文元と請求先が異なる「帳合先」が存在する場合に利用します。たとえば、イベント出店時に主催者から注文を受けたが、請求は協賛企業に対して行うといったケースを想定しています。この機能を使うことで、以下の運用が可能です。
- 請求先切り替え:既存の請求情報を別の帳合先へ付け替え、請求書を再発行。
- 履歴保持:元請求との紐付け情報を保持し、いつ・誰が・どのように振替を行ったかを追跡できます。
「請求情報」と他情報との関係性
Section titled “「請求情報」と他情報との関係性”-
商品情報
- 「商品コード」「商品名」「税率」「単位」は商品マスタから参照。
- 単価・税率は対応する取引条件の設定を継承。
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顧客情報
- 請求先の会社名・住所・担当者・連絡先は顧客マスタから自動反映。
- 顧客ごとの請求条件(支払期限・支払方法など)を適用。
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取引条件
- 送料ルール・遅延利息・振替設定などは取引条件マスタから継承。
- 請求書書式や締め日・支払日の初期値としても使用。
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受注情報
- 対象受注IDと受注明細をそのまま請求明細に流用。
- 出荷・納品状況によって請求対象を自動フィルタ。
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見積情報
- 見積から変換された受注の場合、見積ID・見積日を記録し参照可能。
- 見積で設定した納品スケジュールや特記事項が請求書に反映。
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入金操作情報
- 入金額・入金日・消込状況を請求に紐付。
- 過不足金は「繰越金額」として次回請求に自動反映。
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関連書類
- 見積書・注文書・納品書とのリンクを表示。
- 請求書PDFの生成・ダウンロード・送付状況を管理。
「繰越請求」とは
Section titled “「繰越請求」とは”支払期限までに回収できなかった請求金額を、次回の請求情報にまとめて再請求する機能です。顧客が複数回分の請求に一括で対応できるようにする他、未収残高を明確化する目的で利用されます。請求情報作成時に「繰越対象」から自動追加されますが、手動での追加・削除も可能です。
「請求状況」とは
Section titled “「請求状況」とは”請求から入金までのステータスを総称し、以下の状態を管理できます。
- 未請求:請求書をまだ発行していない状態。
- 請求済:請求書を発行し、顧客に送付済みの状態。
- 未入金:支払期限を過ぎても入金がない状態。
- 入金待ち:部分入金などで残金がある状態。
- 入金済:請求額と同額の入金が確認された状態。
- 繰越予定:不足分が次回請求へ繰り越される予定の状態。
- 返金待ち:過入金が発生し、返金手続き待ちの状態。
- 取消済:請求自体を取り消した状態で、受注や繰越との紐付けが解除される。
請求前に行う準備の重要性
Section titled “請求前に行う準備の重要性”- 受注情報の確認:請求対象となる受注が正しく確定・出荷・納品済みであることを確認。
- 繰越情報の登録:前回請求から繰越すべき未入金額がないかチェックし、必要に応じて手動調整。
- 取引条件の適用:請求条件(締め日・支払方法・遅延利息ルールなど)が正しく設定されているか再確認。
- 関連書類の準備:見積書・納品書など、必要書類のリンクや添付ファイルが適切に設定されているか確認。
これらを事前に整備することで、請求業務の齟齬を防ぎ、正確かつ効率的な回収フローを実現できます。