「商品管理」の概要
「商品情報」とは
Section titled “「商品情報」とは”一般的にはマスターデータと呼ばれ、システム全体で参照・共用される基礎データを指します。FERMにおける商品情報では、以下のような商品の種類を想定して登録します。
- 有形商品:実際に倉庫に在庫として保管される酒類や関連グッズなど
- 無形商品:試飲チケットやイベント参加権など、形としては存在せず権利のみを扱うもの
- デジタルデータ:オンラインでダウンロード可能なレシピ動画やPDFカタログなど
また、同一の「商品」に対して販売形式が複数ある場合(例:クラフトビールを「350ml缶」「15Lケグ」で販売するなど)、商品種別を使って区分けします。
「商品情報」を管理する利点
Section titled “「商品情報」を管理する利点”-
経営上の分析にとって重要
商品ごとの売上・利益などを正確に把握するための基礎データとなり、仕入原価や在庫回転率、販売単価の推移などを経営分析やマーケティング施策に活用できます。 -
受注情報やその他作業がスムーズに進む
商品マスタを参照することで、見積情報や受注情報の作成時に品番・単価・単位などを手入力する手間が省け、誤入力リスクも低減します。 -
在庫管理が行える
「在庫管理フラグ」を商品情報に設定することで、入庫・出庫・棚卸など各種在庫操作と連動し、リアルタイムの在庫数を把握できます。倉庫担当者は商品情報を起点に適切な在庫引当を行い、欠品や過剰在庫を防止できます。
「商品情報」の利用用途
Section titled “「商品情報」の利用用途”-
顧客への販促に活用
商品マスタにサムネイル画像や詳細説明文を追加することで、Web取引サイトや提案資料上で見栄え良く商品を紹介できます。たとえば、酒蔵の純米吟醸であれば醸造方法や香りの特徴を説明文に記載し、購入検討を促進できます。 -
価格情報の扱い
商品価格そのものは「取引条件管理」で登録・管理するため、商品情報には直接価格を紐づけず、常に最新の取引条件を参照する設計となっています。
「商品情報」に記録される情報
Section titled “「商品情報」に記録される情報”以下の表に、FERMで管理する商品情報の各項目とその説明、内容例をまとめます(シナリオに記載の項目のみ使用)。
項目 | 説明 | 内容例 |
---|---|---|
商品名 | 商品を識別する名称。 | 北海道クラフトビール〈ピルスナー〉 |
商品説明 | 顧客向けの詳細な説明文。商品の特徴や原材料、味の傾向などを記載。 | 北海道産麦芽100%使用、爽やかなホップの香りが特徴 |
単位名 | 注文時や在庫管理時に使用する単位。 | 本/ケース/箱 |
税率 | 商品に適用する税率。標準税率(10%)や軽減税率(8%)、非課税などを登録。 | 10% |
商品画像 | サムネイルや詳細表示用の画像ファイル。 | pilsner.jpg |
在庫管理フラグ | 在庫管理を行うか否かを設定するフラグ。 | 在庫管理:有 |
配送管理フラグ | 配送管理を行うか否かを設定するフラグ。 | 配送管理:有 |
商品種別 | 同一商品の販売形式バリエーション(容量・形態など)。 | 350ml缶/15Lケグ |
社内メモ | 運用上の備考や内部連絡用メモ。仕様変更履歴や品質クレームなどを記録。 | 2025/02:ラベルデザインをリニューアル |
「商品種別」とは
Section titled “「商品種別」とは”商品情報には種別を登録でき、同一商品で販売形式が複数ある場合に区分けします。たとえば、クラフトビールを「350ml缶」「15Lケグ」といった形態別に分類します。
種別を登録する利点
Section titled “種別を登録する利点”-
在庫管理の正確化
異なる形態ごとに在庫数を管理できるため、在庫引当や棚卸時に混同を防ぎます。 -
販売形式ごとの集計が可能
各種別ごとに売上・出荷数を集計できるため、販売傾向の詳細分析に役立ちます。 -
発注・仕入の最適化
形態別の発注数量を把握できるため、業務用・小売用それぞれの需要に応じた発注が可能です。
商品情報と商品種別の違い
Section titled “商品情報と商品種別の違い”- 商品情報(マスタ):商品の共通属性(品名、説明、単位、税率など)を登録する場所。
- 商品種別:同一マスタ上の「販売形式バリエーション」を登録するサブカテゴリで、在庫数や販売停止フラグなどを形態ごとに持たせる。
事例:クラフトビールの場合
Section titled “事例:クラフトビールの場合”- 350ml缶
- 在庫数:1,200本
- 配送サイズ:小箱
- 15Lケグ
- 在庫数:50本
- 配送サイズ:パレット
「商品情報」の管理の流れ
Section titled “「商品情報」の管理の流れ”-
登録すべきタイミング
- 新商品発売時や既存商品の仕様変更(ラベル刷新、容量変更など)がある場合
- 酒蔵側で新ロット管理が必要になった場合
-
担当部門と役割
- 製品部(事務担当者):商品マスタの初期登録、説明文・サムネイル準備。
- 販売管理部(事務担当者):販売停止フラグ解除、在庫数登録、実運用開始準備。
-
登録後の処理
「商品情報」とその他の情報との関連性
Section titled “「商品情報」とその他の情報との関連性”-
取引条件との関係性
商品情報を登録後、取引条件管理で当該商品を条件に紐づけ、価格や納期などの設定を行います。 -
受注情報・見積情報との関連性
見積明細や受注明細では常に商品マスタ(商品コード+商品種別)を参照し初期値を取得しますが、数量・納期・備考は個別編集可能です。 -
請求情報の関係性
請求情報は受注情報を集約して作成され、請求書上には受注時点の商品名・数量・単価が記載されます。マスタ更新時も過去データには影響しません。
「商品情報」の販売状況とは
Section titled “「商品情報」の販売状況とは”FERM上では、商品マスタに以下のステータスを設定できます。Web取引サイトおよび営業画面での表示可否を制御します。
-
販売中
現在、注文を受け付け可能な状態。取引サイト・営業画面で表示され、見積/受注作成時に選択可能。 -
販売停止
一時的に販売を停止する状態。取引サイトおよび営業画面で非表示となり、新規見積/受注の対象外となります。
「商品情報」の販売状況の定義
Section titled “「商品情報」の販売状況の定義”ステータス | 説明 |
---|---|
販売中 | 取引サイト・営業画面のいずれにも表示される。受注・見積作成時に選択可能。 |
販売停止 | 取引サイトおよび営業画面で非表示。社内メモ用途など在庫管理のみ行う場合に利用。 |
- 販売停止にする例:在庫切れ、品質問題発生時など
- 販売中に戻す例:再入荷決定時、品質問題解消時
「商品情報」に追加できる拡張項目
Section titled “「商品情報」に追加できる拡張項目”FERMでは標準項目以外に、酒蔵や酒販店の運用に応じた属性を追加登録できる「拡張項目」機能があります。以下は例です。
拡張項目名 | 説明 | 内容例 |
---|---|---|
アルコール度数 | 各商品のアルコール濃度を登録。 | 7%(果実酒)、15%(純米大吟醸) |
原産地 | 醸造場所や原材料の産地を登録。 | 北海道・余市町 |
醸造年度 | 製造年度を登録。ヴィンテージや限定品管理に利用。 | 2024年 |
賞味期限 | 品質保持期限を登録。特に生酒やリキュールで必要。 | 2025-06-30 |
保存温度帯 | 適切な保管温度帯を登録。 | 5〜10℃ |
原材料 | 主な原材料を登録。アレルギー情報や風味訴求に活用。 | 大麦麦芽、副原料米(山田錦) |
推奨ペアリング料理 | 相性の良い料理を登録。営業提案やECサイトのレシピ作成に利用。 | 刺身盛り合わせ、天ぷら |