「顧客管理」の概要
「顧客情報」とは
Section titled “「顧客情報」とは”顧客情報はシステム全体で共有されるマスターデータの一種で、以下のような顧客を登録・管理します。CRM(顧客関係管理)の視点から、基本項目に加え業種やランクなどの拡張項目を用いて柔軟にセグメント管理が可能です。
- 卸売顧客:酒販店や小売店など、製造元から商品を仕入れ転売する事業者
- 直販顧客:ECサイトや自社店舗でエンドユーザーに直接販売する消費者
- 法人顧客:飲食店、ホテル、業務用卸先など、大量購入や商談対応を行う事業者
拡張項目例: 業種/担当ランク(S→C)/地域/取引開始日
「顧客情報」を管理する利点
Section titled “「顧客情報」を管理する利点”- 経営分析の基盤
顧客別の売上・利益率・LTVを精緻に算出し、セグメント別の施策立案やマーケティング投資の最適化に活用できます。 - 業務効率の向上
受注・見積作成時に顧客データが自動反映され、入力工数の削減とヒューマンエラー防止を同時に実現します。 - 営業・事務の連携強化
連絡先や担当者情報、やり取り履歴を共有することで、部門をまたいだ情報伝達がスムーズになり、顧客対応品質が向上します。
「顧客情報」の利用用途
Section titled “「顧客情報」の利用用途”- 訪問・商談準備
過去の取引履歴や連絡先、注意事項を即座に把握し、訪問前の準備時間を短縮。 - 営業会議・レポート
取引条件や受注進捗を一覧で確認し、次回アクションの検討に活用。 - データ抽出・分析
地域や業種、ランク別に受注履歴を絞り込み、販売トレンドやキャンペーン効果を可視化。 - 請求・入金管理
顧客ごとの請求条件や支払状況を連携し、入金遅延防止や繰越処理を自動化。 - 連絡先・配送先管理
用途別の複数情報(営業/請求/配送)を登録し、最適なルートでアプローチ。 - 取引サイトの権限管理
顧客アカウントによるログイン履歴や操作権限を制御・追跡。
「顧客情報」に記録される主な項目
Section titled “「顧客情報」に記録される主な項目”項目 | 説明 |
---|---|
顧客コード/ID | 顧客を一意に識別するコード。社内システム間での連携や検索キーとして利用。 |
顧客名/会社名 | 取引先の正式名称。請求書や見積書に表示。 |
担当者名 | その顧客を担当する営業・窓口担当者の氏名。連絡時に自動反映。 |
住所 | 本社・請求先住所。郵送書類やシステム連携時に利用。 |
連絡先 | 電話番号/メールアドレス(営業/請求/配送別に複数登録可)。 |
書類送付先 | 請求書や見積書を郵送・メール送付する際の宛先情報。 |
配送先 | 受注時に選択可能な複数配送先。標準配送先設定で入力工数を削減。 |
取引条件登録 | 適用価格/パッケージ/公開設定などのルールを紐付け。 |
請求条件登録 | 支払期限/支払方法/繰越設定など請求業務ルールを設定。 |
顧客アカウント | 顧客が取引サイトにログインするためのアカウント情報(メール/パスワード)。 |
社内メモ | 管理者向けのフリーテキスト。過去のやり取りや注意事項など、顧客には非表示。 |
「顧客情報」の管理フロー
Section titled “「顧客情報」の管理フロー”- 営業担当による初期登録
新規顧客開拓時や既存顧客フォローで基本データを入力。 - 情報更新タイミング
新たな請求先/配送先情報受領時、担当変更時、顧客ランク変更時など。 - 登録後の反映処理
- 取引条件・請求条件の紐付け
- 社内システム(受注・請求・在庫管理)へのデータ連携
「顧客情報」と関連情報の紐付け
Section titled “「顧客情報」と関連情報の紐付け”顧客情報はシステム内の各業務データと密接に連携し、自動化やデータ一貫性を実現します。主な関連性を以下に詳細に説明します。
1. 取引条件
Section titled “1. 取引条件”- 自動適用:顧客マスタに紐づく取引条件マスタの設定が、見積・受注画面で自動的に反映されます。
- 公開/非公開設定:取引サイト上で顧客に表示する商品の範囲や価格設定を制御します。たとえば、特定の顧客には卸価格のみを公開するといった運用が可能です。
- 注文書書式・配送条件:注文書のフォーマットや配送方法・送料条件などが取引先ごとに切り替わります。
2. 見積情報
Section titled “2. 見積情報”- 初期値反映:見積作成時に顧客の「請求条件」「標準配送先」「担当者情報」がフォームに自動入力され、入力ミスを防ぎます。
- 双方向リンク:承認済み見積から受注へ変換した際、見積番号と受注番号が相互に参照可能となり、トレーサビリティを担保します。
- 履歴管理:過去の見積内容や金額履歴を参照することで、再見積や値引き交渉時の根拠資料として活用できます。
3. 受注情報
Section titled “3. 受注情報”- マスタ参照:受注時に顧客コードを入力すると、配送先・請求条件・決済方法が自動取得され、受注登録のスピードが向上します。
- ステータス制御:顧客アカウントのステータス(取引中/取引停止)に応じて、受注入力可否をシステム側で制御できます。
- バックオフィス連携:受注データは在庫引当・出荷指示・請求発行の自動トリガーとなり、一連のバックオフィス業務をシームレスに連動させます。
4. 請求情報
Section titled “4. 請求情報”- 候補値表示:請求作成画面で顧客の「支払期限」「支払方法」「振込先口座」が候補として一覧表示され、請求書発行作業を迅速化します。
- 請求ID紐付け:発行された請求書のIDが顧客詳細画面に登録され、入金状況や延滞履歴を一元管理できます。
- 一括請求・繰越機能:月末締めの一括請求や、未入金分の繰越処理を顧客単位で行うことで、管理工数を大幅に削減します。
5. 顧客アカウント
Section titled “5. 顧客アカウント”- ログイン権限:顧客情報に登録されたアカウントに対して取引サイトの閲覧権限や注文権限を付与・制限できます。
- 活動ログ:注文作成・見積依頼などのアクションログがアカウントに紐づき、顧客の利用状況や問い合わせ対応履歴の把握に役立ちます。
6. 関連書類(見積書・注文書・納品書・請求書)
Section titled “6. 関連書類(見積書・注文書・納品書・請求書)”- 生成・送付管理:顧客詳細画面から各種書類をワンクリックで作成・PDF出力・メール送付できます。
- 送付ステータス追跡:いつ、誰に、どの書類を送ったかの送付履歴が残り、営業フォローやトレーサビリティに活用可能です。
「顧客アカウント」とは
Section titled “「顧客アカウント」とは”顧客サイトへのログイン機能で、注文履歴や発注状況を個別に管理できます。権限設定によりアクセス範囲を制御し、社内外のセキュリティを担保します。
「顧客情報」の取引状況(ステータス)
Section titled “「顧客情報」の取引状況(ステータス)”ステータス | 説明 | 利用場面例 |
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取引中 | 顧客が取引サイトにログイン・注文作成が可能 | 新規取引開始後、継続的に取引を行う顧客 |
取引停止 | 顧客の取引サイトアクセス不可。新規見積・受注は管理画面のみ | 与信停止時、契約解除時、一時的な取引中断時 |
拡張項目(業種別の例)
Section titled “拡張項目(業種別の例)”以下は業種別に顧客情報に追加すると便利な拡張項目の例です。
拡張項目名 | 説明 | 内容例 |
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業種 | 顧客が属する業界・業種カテゴリ | 酒販店、小売店、飲食店 |
顧客ランク | 取引量や重要度に応じたランク付け | A、B、C |
担当エリア | 営業担当が管轄する地域 | 北海道・東北・関東 |
取引開始日 | 顧客との初回取引日 | 2024-05-15 |
決済サイト | 支払い条件(締め日と支払いサイト) | 月末締め翌月末支払(NET30) |
与信限度額 | 顧客に許可された与信枠 | ¥5,000,000 |
その他メモ/備考 | 顧客固有の補足情報や運用上の注意点など | キャンペーン適用外、要与信管理 |